投稿者:女性
年齢:35歳
利用ツール:相席屋
こんにちは。結論から言うと、私は新橋の相席居酒屋で年下のエリート彼氏を見つけました。どうしてそんな事が起こったのか、順に書いていきますね。
まずご紹介させてもらいますね。私は蓮実という名前の、しがないパートの女性です。
いくつかというと32歳。まあ、とってもとっても悩むお年頃。結婚したい、子供もほしい。でもまだ遊んでいたい気もするし。
仲間は半数くらいはもうお母さんになっています。でも聞いていると子育ては大変そう。育児と仕事を掛け持ちしている友達なんかは、本当に鬼のように忙しそう。帰宅してもごはん作りや子供のお風呂で、時間が全くなさそうです。日中は子供を保育園に送りつけて、それから仕事へ。何だかとっても余裕がなさそうな暮らしです。
友達の苦労をいつも聞いていたので、私はそこまで結婚したい、子供がほしいとは思えませんでした・・・。育児と仕事を両立して、しかも旦那の世話をするとか、そんな自信がいまいちなかったのですよね。それよりは、彼氏くらい作って、結婚はわからないけど、今のまままったり暮らしたいとも思いました。私には、デザインという趣味もあったので、それをしながらのんびり暮らしたいとも、思ったのです。
「蓮実、今度相席居酒屋行かない」
そう声をかけてきたのは、派手なミチル。恰好もメークも派手で、男好きな性格のミチルでした。ミチルには常に男がいたので、私は問い返しました。
「ミチル、彼氏いるんじゃないの。そんな所行ってどうするのよ」
「実はこないだ別れてさー男と。まあ、ホストだったし? もう金つぎこむの疲れたから」
「けど相席居酒屋って、ミチルの好きそうな派手な男はいないよ、たぶん。来てるのはサラリーマンだと思うよ」
ミチルの顔がかがやきます。
「んー。だからいんじゃん。やっぱ、男は会社員が一番よ。安定企業のサラリーマンんとこに、デキ婚で安定就職ー」
「ホストみたいな顔の男も、バーテンみたいな面白い話する男もいないよ、きっと」
「んでもいいのよー。いこ、いこ。蓮実もそろそろ男つくろうよー」
男好きな悪友と相席屋へ・・
ミチルの強引な誘いで、週末には新橋の相席居酒屋にむかう事になってしまいました。
ちっともその気がなかった私は、まずそういった相席やにどういった服装で向かうのか、悩みました。私は、ふだんはラフな格好しかしません。でも、相席やだから。やっぱり、ワンピースかしら。私は、女の子らしそうなピンクのワンピースを新調しました。
ワンピだけ新調しても、仕方ないので、肩にはおる軽めのボレロや、はてはきらきらとラメのついたパンプスも新調しました。これぞ、婚活ファッション。普段はそんな装いをする事すらないので、あまり気は進みませんでしたが、私も女の子。ワンピを着てボレロをふんわりかけ、きらきらのパンプスに足をとおすと、なんだかこれから御殿にいくお姫様みたいな気になってきました。
「いいじゃん、その恰好。しとやかそうで。男落ちるよー。」
待ち合わせ場所にきたミチルは、私のスタイルをほめてくれました。そうなのだろうか。男を落とすような難しい真似はできないと思うけど、ほめられて悪い気はしません。
「ミチルも、似合ってるよ。ネイルもお洒落だし、リップもお洒落よ」
ミチルは、胸の大きくあいたきらきらとしたブルーの短いドレス調のスカートでした。ザ、キャバ嬢だと思いましたが、そこは言わない事にしました。でも、挑発的なミチルにはそういった格好がまた似合っていたので、よいのでしょう。
私たちは、新橋の相席やにたどりつきました。相席やは、それ程混んでいませんでした。というか、人がいない・・・。
相席やの片隅に座り、私たちはカクテルと酒を注文しました。私はピーチのカクテル、ミチルは焼酎です。こんなところで焼酎をがぶがぶ行ってしまうミチルが、頼もしくもありました。
「こんばー」
エリート系サラリーマンと相席した結果
しばらくすると、店に会社員らしい男性二人組が入ってきました。いかにも都内のエリートサラリーマンという感じで、若さみなぎる男たちという雰囲気です。うーん。スーツもあっていて、悪くない感じ。どこかアツい男という感じもして、悪くはないかも。彼らは、さっさと私たちの前に座りました。さすが、積極的。
「あたし、ミチルでーす。仕事は、いちお、アパレルでーす」
ミチルは積極的です。
「私は、蓮実っていいます。仕事は、倉庫でパートです」
私は、どうしても声が小さくなってしまいます。アパレル関係にいて派手で積極的なミチルと比較すると、自分がただの地味なおばさんみたいな気がしてしまうのです。
「ええー。面白い組み合わせだね、お姉さんたち。派手なお姉さんと、おとなしいお姉さんなんだ」
「そうねー。でも、蓮実いい子だし、あたしは親友だよ」
「俺らは、〇〇会社の営業部の、尊と大和だよ。よろしく」
彼らは名刺を出してきました。〇〇会社、営業マン。なかなか大きい会社の営業マン。ふうん。きっと良い男なんでしょう。でも、ふだんが地味な私は、どうしてもこの男たちの良い男オーラに、負けてしまいそうになります。私なんか、相手にしてくれるのかしら。
黙っている私をよそに、あけっぴろげなミチルはがんがん話をしています。人なつこくて、誰とでもしゃべれてしまうミチル。すぐに男に好かれるミチル。彼女が。うらめしい。
「蓮実ちゃん、ここ出たらさ、二人でお茶しない」
大和と名乗ったサラリーマンのほうが、私に耳打ちしてきました。お茶、かー。
「いいですよ」
私も、乗る事にしました。やがて尊さんとがんがんトークしているへべれけなミチルを尊さんにまかし、私と大和さんは店を出てぶらつきました。
「蓮実ちゃんて、おとなしいよね」
「ええ。ミチルはおしゃべりだけどね」
「僕は、おとなしい子って好きだけどね。優しい感じだし」
「そうなんですか。ミチルのほうが面白いですよ」
「面白いより、優しい子が好きだな。彼氏いなければ、俺どう」
あまりに急展開だったので、私は混乱しました。あまりにも早い。相席や、ばかにできない・・・。でも、
「はい」
私は、大和と付き合う事にしました。
大和は年下で、エリート会社員です。頼もしいし、面白いので、今のところ好きです。相席やは、その時の運もあるけど、行ってみて損ないですよ。