投稿者:女性
年齢:38歳
利用ツール:ティンダー
こんにちは。私には現在なんとフランス人の彼氏がいます。しかも彼は美形で性格も言う事ありません。
というと、私自身がスペックが高くてよい女だと思われる事でしょう。フランス語もペラペラみたいなバイリンガルを思い浮かべる人も多いでしょう。でも、それは大間違いなんです。
私自身どんな女性かというと。一口で表現すれば、デブのアラフォー女でした。では、どうしてデブのアラフォー女がフランス人の男と付き合う事になったのでしょうか。
はっきり言って、すべてはマッチングアプリとして名高いティンダーのおかげでした。それについてお話していきたいと思います。
遡って、私の名前は、うらら。昭和の時代に生まれたアラフォー女です。生まれた頃は、むくむくと太った鼻の丸まっちい赤ん坊でした。4000グラムもあって色黒の赤ん坊だった私は、当時男の子によく間違われたそうです。そんなへちゃむくれの女の子になぜ、うららなどという綺麗な名前をつけたのかと両親に尋ねると、美しい女の子に育ってほしかったからだと言います。
両親の期待もむなしく、むくむくと横に元気に育った私は、小学校の頃から「デブ」でした。当時のクソガキどもが私につけたあだ名も、そのまんま「デブら」でした。本名である「うらら」と、「デブ」を足してひねっただけのばかばかしいあだ名です。
「デブら」の私は、勿論デブだったのでいじめられっ子でした。おまけに、勉強はできるほうで成績は抜群でしたので、さらにいじめられました。勉強のできるデブは、いじめられるようです。
友達もいなかった私は、よく学校の池に石ころを投げ入れて、遊んでいました。学校のせまい池には、見事な色合いのにしきごいがうようよ泳いでいたので、それに石ころをぶつける事で、当時のストレスを発散していたのだと思います。
私はそのまま中学に上がり、高校に上がり、大学に上がりました。なぜか勉強はできたおかげで、私立ではありますがまあまあ高いランクの女子大に進む事ができました。俗にいうお嬢様大学で、ここを出たらそのままどこかにお嫁に行く女の子が多いような大学でした。お嫁にいかない女子も、大体がトップ企業の受付嬢とかになりました。変わらず、デブらだった私はお嫁いり先もなく、受付嬢にしてくれる会社もないまま、地元の小さな出版社に入りました。
出版社での私の話をしましょうか。こういう小さい出版社では、事務員の名目で採用されても、だいたいがなんでもやらされるのです。私は一般事務、経理事務をこなしながら、編集者としての仕事もこなし、ときにはライターもやらされていました。めちゃくちゃな話ですが、出版社というものは意外とそういうものなのです。
出版社でのお仕事は幅が広く、どんどんスキルも上がっていって、面白い仕事でした。とても忙しくて、納期のつまった時は暑苦しい会社に一週間も缶詰だった事もあります。でもなんとなく、私はその仕事が好きでした。ただのデブらだった自分が、スキルを身に付けてどんどん編集者やライターとしても評判が上がっていったのですから、面白くないわけがありませんよね。
こうして私はどうにかデブらを卒業し、編集者、ライターとしてやっていくことができるようになりました。でも、気づいたらあっという間にアラフォーになっていました。これにはびっくりしました。
アラフォーだったら、とりあえず子孫を残さねば・・・。私は焦り出しました。もう恋愛もできないだろうし、私のようなデブらをもらってくれるまともな男もいないであろう。さいわい経済力はあったので、どっかの男の種だけもらって子供だけ産もうかととんでもない発想に行き着いてしまいました。
ティンダーで外国人とマッチング・・即デート
それで行き着いたのが、ティンダーなのです。ティンダーはとにかく登録者数が多く、真剣そうな男女が居なそうな所も気に入りました。外国人の登録も多かったので、この際どこの国の男でもいいからイケメンの種をもらおうと思ったのです。
ティンダーのシステムはシンプルなものでした。とにかく登録だけして、スワイプさえすればよかったのですから。私はスワイプしまくって、気に入った男にはイイねをつけました。日本人も、外国人も、少しイケメンでさえあれば良かったです。
程なくして私は、何人かの外国人男とやり取りをしました。英語なのですが、これも学生時代無駄に英検一級を取っていたので楽勝でした。私は、ハーイとかアイラブユーとか送りまくって、適当な愛を語り、ついに一人目の外人と会う事にしました。
これが、今の彼氏である、ルパートです。ルパートはフランス人らしく、ザおフランスという感じの男で、くるくるのぱつ金で目はブルーでした。まごうことなきイケメンです。私たちは高崎で待ち合わせしました。
高崎駅の改札を出たあたりで、私たちは落合ました。ルパートの風貌に、私は惚れてしまいました。こいつの精子をもらおうと思いました。こいつの種をもらえば、いくらデブらの私にも綺麗な赤ん坊が生まれると思って。
「ウィルユーゴーテュラブホテル?」
いきなりの第一声がそれですから、彼はすっかり驚いたようです。知らない日本人女が、突然ホテルに誘うのですから。でも、優しい彼は逃げませんでした。
「レッツトーク インレストラン」
外国人の精子がほしい・・その一心で・・
彼はそう言って、私をレストランに連れていきました。私は、こいつの精子がもらえないのか悲しくなりましたが、彼は英語でどんどんしゃべりだしました。
英検一級の私は、当然英語がわかったので、仕方なく会話をしました。会話だけして、精子がもらえないなら無駄と思ったのですが、とにかく彼がしゃべるので。
「アイホープ ユア シード」
私はついに、言ってしまいました。おまえの種がほしいと。彼は茫然と私を見ましたが、輝く瞳でノーと、答えました。私はがっくり。
「種をあげてもいいが、付き合おう」
彼は、日本語でそうはっきりと言いました。美しい日本語。日本語ができるならはじめから日本語使えよ。彼は、私の事を好きになったと言ってくれました。デブだが、一生懸命やってきた君を、好きだと思うよと。
こうして、私と彼は付き合う事になりました。種はもうすぐ結婚してからもらう予定です。